【映画録】20210219 愚行録
映画 愚行録を観ました。
物語を追っていくごとに、タイトルの意味がわかる作品でした。
雑誌記者である兄の目から見た妹、妹の目から見た兄、第三者から見た被害者家族、被害者家族と関わりのあった人から見る被害者家族...
みんなそれぞれ、自分の視点から人を見て判断を下してる。
それが一部では正しいけど、ほかの側面から見たらそうじゃない。
大河ドラマ「龍馬伝」で勝海舟が龍馬に言った「物事は、こっちから見るのとあっちから見るのとでは全然違って見える」って言葉を思い出した。
これは今後も大事にしたい価値観です。
もう一つこの映画で感じたのは、「感情の厄介さ」です。
この映画のモチーフの一つが、「憧れ」「羨ましさ」で、
この感情が一件の殺人事件を引き起こしてしまいます。
「憧れ」とか「羨ましさ」って、自分のモチベーションにつながることもあるし、
使い方を間違えるとおぞましい事件を引き起こすこともある。
羨ましいっていう気持ちが妬みにならないように、
いつも自分の感情の向きには注意したいです。
こういう人間の普段表に出ない感情にスポットライトを当てた作品を観ていると
わかる、わかる人間ってこういうところあるよね、とか
人間って怖いなぁって思います。
普段触れることのない人間の感情に触れて、
自分の考え方がアップデートされたり、衝撃を受ける時間が好きです。
人って人を助けることも、破滅に招くこともできるんだなって感じた一作でした。
主演の妻夫木さんがどんどん真実に近づいて行って、
それと同時にどんどん絶望に近づいていく様子が手に取るようにわかって、
演技も脚本もすごいんです。
開始数十秒で出てくる色っぽい松本まりか様にもご注目です。
Amazon Primeで観ることができるので、皆さんぜひ観てください。